GAS

1日当たりのトリガー実行時間制限に時間主導型は含まれない【GAS】

はじめに

今回は、GASの実行制限についてです。
GASには、トリガーで実行できる1日あたりの時間制限があります。
無料版では90分、GoogleWorkspaceユーザは6時間です。

ところが、私のGWS環境で7時間以上、実行されていました。
「誰もどこにも書いてないけど、時間主導はトリガー扱いではない・・・?」
と思い、検証してみました。

結論1:時間主導型は制限対象に含まれていないと思われる
結論2:そもそもこの制限、機能してなくない?
以下でそこに辿り着くまでの検証を紹介します。

無料プランで検証その1

1分毎に実行するトリガーを設定し、どれだけ実行できるか観察します。

仮説1:実行数参照画面の時間合計到達で上限到達

AppsScriptDashboardの実行数を確認する画面で、
表示される所要時間が上限値にきたら次のスクリプトは即エラーになる。
普通に解釈したらこれで引っ掛かりそうですが・・・

トリガー実行ログが数十件並ぶ画像

はい、ご覧の通り、完璧に90分を超過しています。
この後数時間放置しましたが、特に変化なく実行されていました。
本当なら実行開始2,3秒でエラーになるべきですが、
タイムアウトまでちゃんと中身動いてます。

仮説2:トリガー実行始めてからの経過時間で上限到達

9時から始めて、常時トリガー実行のスクリプトがあった場合、
10時半になったら上限にかかる、という仮説です。
大量の実行ログ
はい、この説も破綻!m9(^Д^)プギャー

無料プランで検証その2

仮説3:Dashboardで「トリガー」と区分されているものが対象

さすがに「トリガー」って書いてあるやつは対象だろう。
ということで、フォーム送信時トリガーを使います。
C#でseleniumを使い、強引に1分ごとにフォーム送信します。
起動されたスクリプトはほぼ360秒を所要するため、計算が容易です。
以下、検証用コードと結果画面です。

    internal class Class1
    {
        internal async void main()
        {
            var chromeVersion = new ChromeConfig().GetMatchingBrowserVersion();
            new WebDrivermana.DriverManager().SetUpDriver(new ChromeConfig());

            var options = new ChromeOptions();
            var sv = ChromeDriverService.CreateDefaultService();
            sv.HideCommandPromptWindow = true;

            using(var Cd = new ChromeDriver(sv, options, TimeSpan.FromSeconds(30)))
            {
                for(var i = 0; i < 500; i++)
                {
                    Cd.Url = "フォームURLやで";
                    Thread.Sleep(1000);
                    Cd.FindElement(By.TagName("textarea")).SendKeys("textarea");
                    Thread.Sleep(1000);
                    Cd.FindElement(By.XPath("//div[@aria-label='Submit']")).Click();
                    Thread.Sleep(58000);
                }
            }
        }
    }

やっぱり上限エラーにならない

結果:仮説立証ならず

画像を参照いただいた通り、どう見ても上限突破しています。

まとめ

今回の検証では、結論が明確になりませんでした。
GASのフォーラムにも投稿したことがありますが、
誰も分からないのか回答が1つもありませんでした。

制限が無かったと考えれば嬉しい部分もありますが、
公式サイトには上限が明記(範囲定義が曖昧ですが)されているので、 急に適用されるかもしれません。
「トリガー」という定義に当てはまりそうなものは上限に注意しましょう。

【GAS】appendRow()の同時実行は競合するのか

はじめに

GASでシート末尾に値を追加するappendRow()について、
同時に実行したら同じ行を編集してしまうのか、検証しました。
結論:同時実行は競合します。
以下、検証方法の紹介です。

コードと出力結果

function myFunction() {
  const sh = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getSheetByName("シート1");

  let now = dayjs.dayjs();
  while(now.format("HH:mm")!="09:30"){
    now = dayjs.dayjs();
  }

  sh.appendRow([dayjs.dayjs().format("YYYY/MM/DD HH:mm:ss")]);
  Utilities.sleep(300);
  sh.appendRow([dayjs.dayjs().format("YYYY/MM/DD HH:mm:ss")]);
  Utilities.sleep(300);
  sh.appendRow([dayjs.dayjs().format("YYYY/MM/DD HH:mm:ss")]);
  Utilities.sleep(300);
  sh.appendRow([dayjs.dayjs().format("YYYY/MM/DD HH:mm:ss")]);
  Utilities.sleep(300);
  sh.appendRow([dayjs.dayjs().format("YYYY/MM/DD HH:mm:ss")]);
}

4つのタブで同じスクリプトエディタを開き、実行します。
すると9:30になった瞬間同時に書き込みが走り、合計20行に値が入るはずです。
しかし、何度かやっても17~19行しか値が入りませんでした。
やはり20回の実行のうち、最終行を取得するタイミングが重なってしまうようでした。
気になる方はシートからエディタを開いてコピペして試してみてください。
(シートなので証拠になりませんが、イメージ図です。)
18行しか書き込まれていないイメージ図

対処方法はあるのか

appendRow()を使う限り、競合の可能性は捨てきれないでしょう。
appendRow()以外の方法で、絶対に競合を避けたい場合には、
GoogleDriveにファイルを保存する等の手段があります。

シート行に保存しようとしていたデータ1つ1つについて、
Drive上にJSONなどのファイルを設ければ、競合可能性を相当下げることができます。
ファイル名を日次+UUIDなどにしておけば、同名ファイルが生成されることもありません。
注意点として、それらのJSONを同時に変更可能な仕様にしてはいけません。

さいごに

GoogleAppsScriptを使う以上、
一部の処理ではどうしても競合が発生してしまいます。
上述のような打開策もありますが、仕様が分かりにくくなります。
外部のデータベースの利用なども視野に入れて仕様検討するのが無難かと思います。

GASで銀行くんAPIを実行して銀行コードと支店コードを全件取得

はじめに

GASで銀行くんAPIを使って、
金融機関コードと支店情報をスプレッドシートに一括取得してみました。
銀行コード等を取得したい方はぜひ参考にしてみてください!

コードと出力結果


function ginko() {  
  const baseUrl = `https://bank.teraren.com/banks.json?per=2000`;

  const response = UrlFetchApp.fetch(baseUrl);
  const json = JSON.parse(response.getContentText());

  const pasteArr = json.map(x => [x.code, x.normalize.name]);
  const sh = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getSheetByName("銀行くん");
  sh.getRange("A2:B").clear();
  sh.getRange(2, 1, pasteArr.length, pasteArr[0].length).setValues(pasteArr);
}


function shiten(){
  const ss = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
  const bankSh = ss.getSheetByName("銀行くん");
  const bankJson = bankSh.getRange("A2:B").getValues().filter(x => x[0])
                    .map(x => ({code:x[0], name:x[1]}));

  bankJson.forEach(x => {
    const url = `https://bank.teraren.com/banks/${x.code}/branches.json?per=1000`;
    const response = UrlFetchApp.fetch(url);
    const responseJson = JSON.parse(response.getContentText());
    x.brunchJson = responseJson;
  });

  const maxColumns = Math.max(...bankJson.map(x => x.brunchJson.length + 2));
  const pasteArr = bankJson.map(x => {
    const rowData = [x.code, x.name];
    x.brunchJson.forEach(y => rowData.push(`${y.code}_${y.name}`));
    while (rowData.length < maxColumns) {
      rowData.push("");
    }
    return rowData;
  });

  const brunchSh = ss.getSheetByName("銀行くん支店");
  brunchSh.getRange("2:1500").clear();
  brunchSh.getRange(2, 1, pasteArr.length, maxColumns).setValues(pasteArr);
}

関数名やシート名が適当すぎるので、必要に応じて変更してください。1
スプレッドシートにコンテナバインドした前提で、こんな感じです。
銀行くんAPIの結果として金融機関コードや支店コードのリストがスプレッドシートに出力されている画像

さいごに

以前紹介した記事では、
無料版では上限問題で全支店情報まで日次取得できませんでした。
今回の銀行くんの場合、支店コードを毎日取得しても制限に引っ掛かりません!
毎日実行のトリガー設定を行うなど、便利に活用してみてください。

BankcodeJP APIで銀行コードと銀行名を一括取得【GAS】

はじめに

GASでBankCodeJP APIを使って、
金融機関コードをスプレッドシートに一括取得してみました。
銀行コード等を取得したい方はぜひ参考にしてみてください!

コードと出力結果

function getAllBanks(){
  
  const apikey = "あなたのAPIキー";
  const baseUrl = `https://apis.bankcode-jp.com/v3/banks?apikey=${apikey}&limit=2000`;
  let nextCursor = "";
  const banks = [];

  do{
    const response = UrlFetchApp.fetch(baseUrl+(nextCursor ? `&nextCursor=${nextCursor}` : ""));
    const json = JSON.parse(response.getContentText());
    banks.push(...json.banks);
    if(json.hasNext) nextCursor = json.nextCursor;
    else nextCursor = "";
  }while(nextCursor);

  const pasteArr = banks.map(x => [x.code, x.name, x.halfWidthKana, x.fullWidthKana, x.hiragana, x.businessTypeCode, x.businessType]);
  const sh = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getSheetByName("bank");
  sh.getRange("A2:G").clear();
  sh.getRange(2, 1, pasteArr.length, pasteArr[0].length).setValues(pasteArr);

}

スプレッドシートにコンテナバインドした前提で、こんな感じです。
銀行コードなど銀行情報がシート出力されているイメージ

さいごに

尚、このAPIは無料版だと制限があります。
支店コードも概ね同様の書き方で全て取得できますが、
日次で全金融機関の支店コードを取得しようとすると、上限に引っ掛かります。
別の記事で、他のAPIの使用例も紹介しようと思いますので、
ぜひそちらの記事も参考にしてみてください!

⇒(追記)銀行くんAPIに関する記事を公開しました。

GoogleAppsScriptGitHubアシスタント undefinedの解決方法

はじめに

GASとgithubを連携するのに使うChrome拡張機能、
GoogleAppsScriptGitHubアシスタント。便利ですよね。
しかし、そこそこの頻度で以下のようなエラーに遭遇します。
[GitHub assistant] undefined
今回は、このエラーの解決方法について解説していきます。

再認証する

まず1つ目は、再認証する方法です。
Chrome上部ツールバーから拡張機能のボタンを選択、
GitHubアシスタントの・・・からオプションを選択します。
ツールバーのchrome拡張ボタンからオプションを選択

すると、本来はログイン情報に関する画面が表示されます。
が、それと同時に以下のような認証画面がポップアップする場合、
おそらく認証が切れているのでそのままAllowで許可、認証を行ってください。
Googleの認証をAllowする

再ログインする

前項の方法で解決しなかった場合、以下の方法も試してみてください。
前項と同様に上部バーからオプションを開きます。
ログアウトする
ここで一度、ログアウトして再度ログインしてください。
尚、再ログインの際にgithubのアクセストークンが必要になります。

GoogleAppsScriptAPIの設定をオンにする

それでも解決しない場合、
こちらにアクセスして設定をオンにしてください。
GoogleAppsScriptAPIを有効にする

さいごに

Googleアカウントを複数使っていたり、
二段階認証を設定していたりすると、発生頻度が高まるように感じています。
ぜひお役立ていただければと思います。

GAS-AsanaAPI カスタムフィールド指定でタスク生成する方法

はじめに

GASでAsanaAPIを使ってカスタムフィールドありのタスクを作成する際、
調べてもよく分からず暗中模索して困ったため、その答えを紹介します。

gidで指定する必要がある

Asanaの基本的な概念として「gid」というものがあります。
Asanaの内部IDだと認識しておけばOKです。
プロジェクトgidやユーザgidなどが存在します。

そして、カスタムフィールド1つ1つにもgidが存在します。
タスク作成時にカスタムフィールドに値を入力する場合、gidでの指定が必要です。
更にプロジェクト上でカスタムフィールドの選択肢を作成している場合、
その各選択肢にもgidが存在します。

タスク作成、APIでカスタムフィールドを操作する際は、
下記コード例のようにgidを用いて指示します。

function createTask() {
  const headers = {
    "Authorization": "Bearer " + "token"  
  };

  const payload = JSON.stringify({
    "data": {
      "workspace"    : "workspaceId",                            // ワークスペースID              
      "projects"     : ["projectId"],                            // プロジェクトID
      "name"         : "title",                                  // タスクタイトル
      "assignee"     : "assignee@mail.jp",                       // タスク担当者アドレス
      "followers"    : ["collab1@mail.jp", "collab2@mail.jp"],   // コラボレーターアドレス
      "html_notes"   : body,                                     // タスク本文html
      "due_on"       : "2024-03-30",                             // タスク期日
      "custom_fields":{1234567890:"1111111111",   // カスタムフィールドgid:選択肢gid
                       2345678901:"2222222222",   // カスタムフィールドgid:選択肢gid
                       3456789012:"text",         // カスタムフィールドgid:入力値テキスト
                       4567890123:"int"}          // カスタムフィールドgid:入力値数値
    }
  });

  const options = {
    "method"              : "post",
    "contentType"         : "application/json",
    "headers"             : headers,
    "payload"             : payload,
    "muteHttpExceptions"  : true
  };

  const response = UrlFetchApp.fetch("https://app.asana.com/api/1.0/tasks", options);

  if(JSON.parse(response.getContentText()).errors){
    throw new Error(`error:${response.getContentText()}`);
  }
  else{
    const responseJson = JSON.parse(response);
    const task_id  = responseJson.data.gid;
    const taskUrl  = `https://app.asana.com/0/プロジェクトID/${task_id}`;
    return taskUrl;
  }
}

サンプルコードではカスタムフィールド以外にも任意の属性を指定しています。
このコードを使用する場合は、必要に応じて置換してください。

カスタムフィールドのところを見てみると、
gidに対して選択肢のgidや、入力値を直接指定しているのが分かると思います。
選択式フィールドの場合はgidを、入力式フィールドの場合は直指定となります。

カスタムフィールドgidを取得するには

さて、このカスタムフィールドのgidですが、
現在Asanaのweb画面上から取得する方法はありません。

カスタムフィールドのgidを取得するには、
APIのGet a project’s custom fieldsGet a projectを使う必要があります。
前者の方がシンプルに情報取得できるため前者を例示しますが、
カスタムフィールド以外のプロジェクト情報も必要な場合は後者を使うと良いでしょう。

function getProjectCustomField(projectId){
  const baseUrl = `https://app.asana.com/api/1.0/projects/${projectId}/custom_field_settings?limit=100`;
  const options = {
                "method"              : "GET",
                "headers"             : {"Authorization": "Bearer " + token, 
                                        "accept": "application/json"
                                        },
                "muteHttpExceptions"  : true
              };
  let nextPage = null;
  let result = [];

  // ページループ
  do{
    const url = `${baseUrl}${nextPage ? `&offset=${nextPage.offset}` : ""}`;
    const singleResponse = UrlFetchApp.fetch(url, options);
    const jsonResult = JSON.parse(singleResponse);
    result = result.concat(jsonResult.data);
    nextPage = jsonResult.next_page;
  }
  while(nextPage)

  return result;
}

以下のような戻り値となります。
custom_field属性直下のgidがフィールドgidです、
typeがenumの場合、選択式フィールドである事を表しています。
選択肢はenum_optionsに格納されており、その中のgidが各選択肢のgidとなります。

{
  "data": [
    {
      "gid": "12345",
      "resource_type": "task",
      "project": {
        "gid": "12345",
        "resource_type": "task",
        "name": "Stuff to buy"
      },
      "is_important": false,
      "parent": {
        "gid": "12345",
        "resource_type": "task",
        "name": "Stuff to buy"
      },
      "custom_field": {
        "gid": "12345",
        "resource_type": "task",
        "name": "Status",
        "resource_subtype": "text",
        "type": "text",
        "enum_options": [
          {
            "gid": "12345",
            "resource_type": "task",
            "name": "Low",
            "enabled": true,
            "color": "blue"
          }
        ],
        "enabled": true,
        "representation_type": "number",
        "id_prefix": "ID",
        "is_formula_field": false,
        "date_value": {
          "date": "2024-08-23",
          "date_time": "2024-08-23T22:00:00.000Z"
        },
        "enum_value": {
          "gid": "12345",
          "resource_type": "task",
          "name": "Low",
          "enabled": true,
          "color": "blue"
        },
        "multi_enum_values": [
          {
            "gid": "12345",
            "resource_type": "task",
            "name": "Low",
            "enabled": true,
            "color": "blue"
          }
        ],
        "number_value": 5.2,
        "text_value": "Some Value",
        "display_value": "blue",
        "description": "Development team priority",
        "precision": 2,
        "format": "custom",
        "currency_code": "EUR",
        "custom_label": "gold pieces",
        "custom_label_position": "suffix",
        "is_global_to_workspace": true,
        "has_notifications_enabled": true,
        "asana_created_field": "priority",
        "is_value_read_only": false,
        "created_by": {
          "gid": "12345",
          "resource_type": "task",
          "name": "Greg Sanchez"
        },
        "people_value": [
          {
            "gid": "12345",
            "resource_type": "task",
            "name": "Greg Sanchez"
          }
        ]
      }
    }
  ],
  "next_page": {
    "offset": "eyJ0eXAiOJiKV1iQLCJhbGciOiJIUzI1NiJ9",
    "path": "/tasks/12345/attachments?limit=2&offset=eyJ0eXAiOJiKV1iQLCJhbGciOiJIUzI1NiJ9",
    "uri": "https://app.asana.com/api/1.0/tasks/12345/attachments?limit=2&offset=eyJ0eXAiOJiKV1iQLCJhbGciOiJIUzI1NiJ9"
  }
}

さいごに

AsanaAPIにおけるカスタムフィールドへの理解は深まりましたでしょうか。
もし必要があればAsanaに関する他の記事も参照してお役立てください。
Asana APIトークンや各種IDを取得する基本的な方法を解説

GASでGoogleDrive上のJSON内容を取得/上書きする方法

はじめに

Drive上にJSONファイルを置いておき、
それをGASから操作する際の基本的な方法を紹介します。

なぜGASでJSONファイルを使うのか

本文の前に、なぜこんなことをするのかについて。
社用webアプリ等に使う半端な量のデータを持つのに有用だからです。

社用とは言えwebアプリケーションですから、
操作すべき何らかの情報や、操作した結果情報を保存する必要があります。
これらをもし全てスプレッドシート上で管理したら、どうなるでしょうか。
web上の操作時にスプレッドシート上の数千行のデータを処理して・・・
となると、20秒とか30秒とかかかります。
webアプリを操作している時の読込みで30秒は流石に酷いですよね。
データ量が本当に多いならBigQueryなどデータベース運用が視野に入りますが、
DB使う程ではないけどシート管理も良くないという時、Drive上にJSONを置いておくのも1つの方法です。

読込のコード

以下のコードでJSONとして扱えます。

const file = DriveApp.getFileById("id");
const jsonStr = file.getBlob().getDataAsString("UTF-8");
const json = JSON.parse(jsonStr);

書き込み(上書き)のコード

以下のコードで書き込みできます。
drive上のテキストファイルの扱いとほぼ同じですね。
上書きとなりますので、差分のみ変更した場合はそのようなデータを予め作成する必要があります。

const file = DriveApp.getFileById("id");
file.setContent(JSON.stringify(json));

最後に

コード自体はごくシンプルですが、扱いようによっては非常に便利です。
いかなる時にドライブ上のJSONデータを運用するのかという点が重要だと思います。
getValuesが遅すぎると悩んでいる方は一度試してみてください。

BigQueryのJSONスキーマとJSON形式ロードジョブの扱い

はじめに

BigQueryを扱う際、JSONに関する情報が少なく
非常に苦労したため、ノウハウを共有します。
尚、一部例示するコードはGASです。
またJSONはいわゆる一般的なオブジェクト配列を指します。

 

事前準備

検証に使うテーブルに、JSON型のカラムを用意してください。
また、サンプルコードを実行したい場合は、
GASのエディタを開いてBigQueryサービスを有効化しておいてください。

 

JSONカラムへのINSERT・UPDATE

まず、基本的なクエリの書き方はこんな感じです。

"UPDATE `projectId.datasetId.tableId` 
 SET カラム名 = JSON'ここにJSONstring'
 WHERE id = '12345"

JSONstringに”JSON”を接頭する必要があります。

GASで作成する場合はシンプルにJSON.stringifyを使えばいいです。

"UPDATE `projectId.datasetId.tableId` " + 
` SET カラム名 = JSON'${JSON.stringify(jsonData)}' WHERE id = '12345" `;

JSON形式でのloadジョブ登録

こちらは通常のクエリリクエストではなくloadジョブの方法となります。
例えばテーブルのカラムが「name(string),id(string),info(json)」だったとして、
以下のようなJSONを一気に取り込む事が可能です。

[
  {
    name:"山田太郎",
    id:"0001",
    info:[{
            type:"parttime",
            sex:"female",
            tel:"111-1111-1111",
         }]
  },
  {
    name:"山田花子",
    id:"0002",
    info:[{
            type:"fulltime",
            sex:"male",
            tel:"222-1111-1111",
         }]
  },
]

loadジョブのイメージは湧きましたでしょうか。
テーブルに初期データを一気に格納する際などに便利です。

さて、ではloadジョブの作成方法です。
上述のカラム構成とJSONを使うとして、以下のようなGASコードとなります。
このコードを実行するとJSONの内容が一括で登録されます。
尚、データ量の制約などもありますので、必要に応じて分割実行してください。

const json = 省略 上述のJSONがあるものとする;const schema = [
  {name: "name", type: "STRING"},
  {name: "id", type: "STRING"},
  {name: "info", type: "STRING"}
];
const jobInfo = {
  configuration: {
    load: {
      destinationTable: {
        projectId: projectId,
        datasetId: datasetId,
        tableId: tableName
      },
      schema: {
        fields: schema
      },
      sourceFormat: 'NEWLINE_DELIMITED_JSON'
    }
  }
};
const jsonl = json.map(x => JSON.stringify(x)).join('\n');
const blob = Utilities.newBlob(jsonl);
const job = BigQuery.Jobs.insert(jobInfo, dbSetting.projectId, blob);

最も重要なポイントは、JSONの加工ですね。
JSONLという改行区切JSON形式に変換しています。

ちなみにロードジョブの結果受取はこんな感じでいいかなと。

function getLoadJobResult(job){
  const projectId = job.jobReference.projectId;
  const jobId = job.jobReference.jobId;
  let result = BigQuery.Jobs.get(projectId, jobId);

  let count = 0;
  while (result.status.state !== "DONE") {
    console.log(result);
    console.log("loadResponse待ち...")
    if(count==10) throw(`GetLoadJobResult10回失敗${result}`);
    Utilities.sleep(2000);
    result = BigQuery.Jobs.get(projectId, jobId); 
    count++;
  }
  if(result.status.errors) console.log(result.status.errors);
  return result;
}

前回記事で紹介したクラス内の待ち受けと一緒ですね。

さいごに

BigQueryにおけるJSON関連の扱いについて、理解は深まりましたでしょうか?
前回の記事ではGASでBigQueryを扱う際のクラス等も紹介しています。
ぜひあわせてお役立て頂けると幸いです。

GASでBigQueryにジョブ登録&結果取得する基本的な方法

はじめに

GASからBigQueryを実行する時の基本的なコードを紹介していきます。
プロジェクトやテーブルの作成方法は色んなサイトで既に解説されていますので、
BigQueryでプロジェクト及びテーブルが作成されている事を前提とします。
GASエディタにBigQueryサービスを追加しておくのも忘れないでください。

 

ジョブ登録

const job = BigQuery.Jobs.query(
  {
    useLegacySql: false,
    query: "SELECT * FROM `projectId.datasetId.tableName`",
    timeoutMs: 20000,
  },
  projectId
);

上記のコードが基本的なジョブ登録の方法になります。
このコードを実行すると、BigQueryプロジェクトに実行ジョブとして登録されます。

projectId、datasetId、tableNameの部分については、
実行対象のテーブル情報をBigQueryから取得して入力してください。
projectId.datasetId.tableNameの部分はバッククオートで囲む必要があります。
リテラルや変数を使う場合は若干書きにくいので注意してください。

特筆すべき注意点として、console.log(job)しても結果が得られない点です。
当コードで作成したジョブ情報を元に、BigQueryへ結果を取りに行く必要があります。

 

ジョブ結果取得

//前項で登録したjob変数が存在するものとする
const projectId = job.jobReference.projectId;
const jobId = job.jobReference.jobId;
const location = job.jobReference.location;
const result = BigQuery.Jobs.getQueryResults(projectId, jobId, {location: location});

これがジョブ結果取得の基本的な方法となります。
ただし、単にこれを書くだけでは、いくつか問題があります。

まず、実行時間の考慮が必要になるという点です。
実行するクエリによっては所要時間がかかるものがあります。
ジョブ登録してすぐに上記コードを実行すると、
「未完了だよ」という結果が返ってくる場合があります。
ですので、後述しますが、待ち受け処理が必要です。

また、返ってきた結果の処理も必要です。
result.statusで成否取得できるため、これでエラー処理をすべきです。
またselect等で取得した結果はresult.rowsで取得できますが、
シンプルな形式ではないので扱いやすいJSON等に変換する必要があります。

 

改善案

上述のコードをより実務的にする案です。

class BigQueryClass{
  /**
   * @param {object} dbSetting {projectId:"projectId", datasetId:"datasetId"}
   */
  constructor(dbSetting){
    this.ProjectId = dbSetting.projectId;
    this.DatasetId = dbSetting.datasetId;
  }

  /**
   * projectIDとdatasetIDとtable名を連結して返す 
   * @return {string} "`projectId.datasetId.tableName`"
   */
  GetIdsStr(tableName){
    const ids = `${this.ProjectId}.${this.DatasetId}.${tableName}`;
    return "`" + ids + "`";
  }

  /**
   * 取得系 実行して結果を取得する
   * @param {string} queryStr
   * @return {object} {queryStr:str, json:結果オブジェクト配列} 
   */
  ExecuteGetQuery(queryStr){
    const result = this.executeQuery(queryStr, true);
    return result;
  }

  /**
   * 更新系 実行する
   * @param {string} queryStr SQL文
   * @return {object} {queryStr:str, json:[空配列]}
   */
  ExecuteChangeQuery(queryStr){
    const result = this.executeQuery(queryStr, false);
    return result;
  }

  /**
   * UPDATE文など競合不可な実行をロックしながら実行する
   * @param {string} queryStr 実行SQL文
   * @param {int} lockTime ロック待機時間ミリ秒
   */
  ExecuteQueryWithLock(queryStr, lockTime=30000){
    const lock = LockService.getScriptLock();
    if(lock.tryLock(lockTime)){
      try{
        const result = this.executeQuery(queryStr, false);
        return result;
      }
      catch(e){
        console.log("UPDATE実行Error" + queryStr);
        throw e
      }
      finally{
        lock.releaseLock();
      }
    }
    else{
      console.log("ロックNG");
      throw new Error("ExecuteQueryWithLock:ロック獲得不可");
    }
  }

  /**
   * 実行して結果を取得する
   * @param {string} queryStr
   * @param {bool} isGet select等の取得系:true  update等の更新系:false
   * @return {object} {queryStr:str, json:結果オブジェクト配列} 
   */
  executeQuery(queryStr, isGet){
    const job = this.registQueryJob(queryStr);
    const result = this.getJobResult(job);
    const jsonResult = this.getJsonFromQueryResult(queryStr, result, isGet);  //{queryStr,json}

    return jsonResult;
  }


  /**
   * ジョブを登録する
   * @param {string} queryStr
   * @return {object} ジョブ情報
   */
  registQueryJob(queryStr) {
    try{
      let job = BigQuery.Jobs.query(
        {
          useLegacySql: false,
          query: queryStr,
          timeoutMs: 20000,
        },
        this.ProjectId
      );
      return job;
    }
    catch(e){
      console.log(e.message);
      throw(`BigQueryジョブ登録Error:${e.message}`);
    }
  }

  /**
   * ジョブの結果を待つ
   * @param {object} job ジョブ情報
   * @return {object} SQL実行レスポンス
   */
  getJobResult(job){
    try{
      const projectId = job.jobReference.projectId;
      const jobId = job.jobReference.jobId;
      const location = job.jobReference.location;
      let result = BigQuery.Jobs.getQueryResults(projectId, jobId, {location: location});

      // 実行結果待ち
      let count = 0;
      while (!result.jobComplete) {
        console.log(result);
        console.log("response待ち...");
        if(count==10) throw(`GetJobResult10回失敗${result}`);
        Utilities.sleep(2000)
        result = BigQuery.Jobs.getQueryResults(projectId, jobId, {location: location});
        count++;
      }
      if(result.status){
        if(result.status.errors){
          throw(result.status.errors);
        }
      }
      return result;
    }
    catch(e){
      throw(`BigQueryジョブ結果取得Error:${e.message}`);
    }
  }

  /**
   * 実行responseを結果objに変換する
   * @param {string} queryStr 
   * @param {object} response 
   * @param {bool}   isGet    select等の取得系:true  update等の更新系:false
   * @return {object} {queryStr:str, json:結果オブジェクト配列}
   */
  getJsonFromQueryResult(queryStr, response, isGet){
    try{
      let ret;
      switch(isGet){
        case true:  //取得系
          if(response.totalRows == "0")
           return {queryStr:queryStr, json:[]};

          const rows = response.rows;
          const schema = response.schema;
          const jsonData = rows.map(row => {
            const obj = {};
            row.f.forEach((field, i) => {
              obj[schema.fields[i].name] = field.v; 
            });
            return obj;
          });

          ret = {queryStr:queryStr, json:jsonData};
          return ret;

        case false: //更新系
          ret = {queryStr:queryStr, json:null};
          return ret;
      }
    }
    catch(e){
      throw(`BiqQuery結果変換Error:${e.message}`)
    }
  }
}

そのまま使う場合、クラスに関して一定の理解がないと厳しいかもしれません。
ただ断片的にでも切り出せる部分はあると思います。

改善したポイントは以下の通りです。

  • projectId.datasetId.tableNameを生成しやすくした
  • 結果取得時の待機を考慮
  • 結果取得時のエラー処理を追加
  • 更新系と取得系で処理結果の取得を分岐
  • 取得系の結果をシンプルなJSONに変換

 

実際に使う際は、インスタンスを生成してメソッドを呼び出します。
メソッド名が大文字で始まるものを使います。
小文字のものは内部用です。(他言語におけるprivateメソッドのイメージ)

const cls = new BigQueryClass({projectId:"projectId", datasetId:"datasetId"});
const query = `SELECT columnName FROM ${bqCls.GetIdsStr("tableName")} 
                  WHERE id = '123456'`;
const json = bqCls.ExecuteGetQuery(getQuery).json;

 

最後に

BigQueryにはBigQueryなりのクセがあり苦労したため、公開しました。
他にも苦労したポイントとしてBigQueryでのJSONの扱いについて記事を作成しています。
BigQueryのJSONスキーマとJSON形式ロードジョブの扱い
ぜひ実装のヒントにして頂けますと幸いです。

GASの変更時トリガーが実行頻度によっては実行されない問題について検証してみた

0.はじめに

GASの変更時トリガーってあるけど、
本当に全ての変更をキャッチしてくれてるの?

と疑問に思ったので検証してみました。

例えばGoogleフォーム回答が入力されるスプレッドシートに対して、
シート変更時トリガーを仕込んでおり複数から同時に回答があったとしたら・・・?
本当はそんなスクリプトは組まない方がいいわけですが、
そんな時どうなるのか気になる方はぜひご覧ください。

 

1.検証用のコードとトリガー

本当の限界頻度を知りたいので、ごくシンプルな負荷の低いコードを使いました。


function myFunction() {
  console.log("testやで");
  GmailApp.createDraft("test@test","testやで","testやわ");
}

トリガーはこちら。普通の変更時トリガーです。
変更時トリガー設定の画像
もちろんこのスクリプトはスプレッドシートにバインドしています。

 

2.高速で実行してみた

まず、適当に10回実行してみた結果がこちらです。
セルを10個変更したスプレッドシートの画像
6行の実行ログ
10回変更したのに実行ログは6行しかあらへん。どういうこっちゃ。
実行されてるけど、実行ログだけ出てないのか?と思い、Gmailの下書きを確認します。
6件だけのメール下書き
やっぱり6件しかない。という事で、6回しか実行されていないようです。
高速での変更時トリガーは実行が欠損する
という事が分かりました。
(1回だけでは試行回数不足のため複数回、別時期にも試しております。)

 

3.実行頻度を落として実行してみた

どれぐらいが敷居なのか判断したいため、
秒間1~3回程度に実行ペースを落としてみます。

10回成功 秒間1~2回
10回成功した画像

10回成功 秒間1~3回
10回成功した画像

9回成功 秒間1~2回
9回成功した画像

無暗に高速実行した時より成功率は上がりましたが、まだムラがあります。
(3回だけでは試行回数不足のため複数回、別時期にも試しております。)

 

4.秒間1回にしてみた

では秒間1回ではどうでしょうか。

秒間1回程度で10回成功
秒間1回程度の実行で10回成功している画像

秒間1回程度で10回成功その2
秒間1回程度の実行で10回成功している画像

秒間1回程度で10回成功その3
秒間1回程度の実行で10回成功している画像

概ね、1秒に1回程度の実行であれば安定して動きそうです。
私の過去の検証や経験則を合わせても、
1秒1回以下のペースで安定すると結論付けてよいのでは、と考えています。

 

5.さいごに

いかがでしたでしょうか。
変更時トリガーが安定しない、同時実行の際に不安、
といった場合にはぜひこの内容を思い出してみてください。

それにしても、皆さんに画像で伝わるように秒間1回で実行するとかって難しいですね…w
GASの限界に挑戦するシリーズ、個人的に面白いなと思っているので、
何か思いつけばまたやってみようと思います。
「これ試してみてほしい!」等あればお気軽にコメントくださいね。